第09話

♪♪～

…俺の携帯か。誰やろ。
…嫌な予感もするなあ～



｢んぁっ？｣
｢電話やんけ。離せえ～｣
｢ちぇっ。｣
｢…もっしい～？｣


…あいつじゃーありませんよーにっ。



｢よぅ。｣
｢……げ。｣


…それは紛れも無く、あいつやった。俺の最強最高最悪の敵。


｢げ。てなんやねん（笑）｣
｢誰～？愛梨？ｗ｣


横で和哉がニヤニヤしながら携帯に耳当ててきよる。


｢ちゃうわ、ばーか｣
｢…横におんの、和哉やろ？｣
｢はっ!?なんで知ってん……あぁ。あいつ(愛梨)か…チクリめ…｣
｢んで和哉ん家で寝泊まりけ？｣
｢…悪いかっ。｣
｢…つーか学校サボってばっかおらんと来いよー。｣
｢いや～ッ。おもんないしっ。｣
｢愛梨ちゃん、心配しとんで？お前が学校来んくなったんは自分のせいなんちゃうかって。｣
｢…へ？｣


…理解できんかった。…愛梨が？んなわけないやんけ…こいつはほら吹きか！！！


｢心配して、探しに行ってたらしいで？｣
｢……！｣



｢…やっとみつけた｣
｢心配しててんでっ!?どこ行ってたんよ!!!学校も来んと…｣



｢…そんなん俺には関係な…｣
｢誰やねんて～代われやっ♪｣
｢…あ。｣
｢もっし～♪誰～？ｗへ？海!?まじでか!?久しぶりやんけ～♪｣



…愛梨が俺のこと心配して探してた？…まッさかなあ～…。
自分のせいって…なんで自分のせいやねん。
…ッあ゛～まじわけわからん！イライラすんなあッ!!!



｢おぅ☆じゃーなあ♪｣(ピッ)



ほんでこいつは勝手に電話奪ってなんで勝手に切っとんねん!!!



｢ほいッ。｣



満足気な顔して俺に携帯を渡してくる和哉。
イライラしてた俺は和哉のせいで余計イライラしたけど、大人やし仕方なくその場は押さえた。



｢奨、帰らんのけ？｣
｢あ？｣
｢海がゆーとったやん。はよ帰って来いて。｣
｢なんやねん。帰ってほしいんけ？｣
｢……うんｗ｣
｢なんでやねんッ!（笑）冷たい奴やっちゃなあ！｣
｢だってなんかおもろいやんｗｗお前と愛梨がどーなんのか…たはッｗ｣
｢キモいしうぜえ～（笑）絶ッッ対帰ったらへんからな！｣
｢えぇ～迷惑～(嘘やけど)｣
｢とことん迷惑かけたるわ。はっはっはっ。｣
｢海～お持ち帰りしてくれ～（笑）｣




―――――次の日。



｢…やっぱ来ーへんのかあ。は～あッ。｣
｢ど～したん？｣
｢結衣…｣
｢愛梨。悩んでばっかおらんと恋とかしいやあ～ｗ｣
｢恋？（笑）｣
｢そ～そ～ｗあたしみたいにさッｗ｣
｢え!?結衣って恋してるん!?｣
｢してるしなあ～ｗ（笑）あ…協力してくれる？｣
｢するする～!!!｣
｢ほんま!?やったあｗ実は愛梨と仲いい人やからさ～協力してほしかってん♪｣
｢……え？｣
｢も～！誰か分かるやろ!?海くんやって～ｗ｣
｢……!!!｣
｢……愛梨？｣
｢…ッえ…あ…そーなんやあッ(苦笑)｣
｢愛梨…もしかして…海くんのこと…？｣
｢そっ…そんなわけないやん！｣
｢…ほんま!?よかったあ♪じゃあ協力してくれるやんな？｣
｢…うんッ！｣
｢ありがと～ッ!!!ｗ｣



…まさか結衣が海のこと好きやったなんて…。
そーいえば…いつも海と喋ってるとき楽しそうやったもんなあ…
どうしよ…いまさら好きなんて言えへんやん…。